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家づくり、あなたはどっち?~プロに任せる?(ハーフ)セルフビルド?

新築や中古物件のリフォームは、一般的にはハウスメーカーや工務店、大工にお願いしますが、南房総は移住や二拠点居住の方が増える中、中古物件を購入してDIYでリノベーションする人が増えています。

また、私がハーフ・セルフビルドした時はネット情報が少なかったですが、今はYouTubeなど動画付きで家づくりをわかりやすく解説しているWebサイトがたくさんあります。

機械も情報も手に入れやすくなり、セルフビルドやDIYしやすい環境が整ってきたため、男性はもちろん女性でもリノベーションしたり、DIYする方が増えてきました。

こういう環境を踏まえると、家づくりは大まかに次の2パターンになります。

  1. プロ(大工や工務店)に頼む
  2. セルフビルド〜設計施工の一部をプロに頼む。あるいは全部自分で作る。

セルフビルドしてから設計士・大工になった私(小川)が、それぞれのメリット/デメリット、押さえておきたいポイントなどをまとめてみました。

注: 全て木造です。鉄骨造、鉄筋コンクリート造はセルフビルドではハードルが高いので対象にしていません。

時間/費用/キレイさの違い

新築やリフォームは一般的にプロに頼みますが、プロに頼むとセルフビルドよりも早く、キレイに、楽に建てられます。当然、費用はセルフビルドよりも高くなります。

では フルセルフビルド、ハーフセルフビルドではどうでしょう?

有名なセルフビルダーさんは2階建42坪をフルセルフビルドしました。基礎、刻み、上棟、屋根葺き、外装内装、電気工事(資格取得)、(ガス、水道は免許の関係で業者に依頼) をするのに500日かかったそうです。

我が家は20坪ハーフセルフビルド(基礎、刻み、上棟、屋根、水道、ガスはプロに依頼)で、他の仕事をポツポツやりながら10ヶ月かかりました。

我が家の費用はプロに頼む3分の1以下きらいです。フルセルフビルドならもっと安くなります。キレイさは個人の技量によりますが、ヘマしてもそれが愛着になります。

簡単にまとめると、セルフビルドは「プロに頼む金額のおおよそ3分の1。時間はプロの2倍くらい。下手でも味わいになる。」と言えます。

プロ(ハウスメーカー、工務店、設計士・大工)に頼む場合

時間はないけど、お金はある程度持っている人にオススメ

メリット

希望を設計士や大工に伝えるだけでいい。大工作業がない。

家を作ってもらっている間に、別の仕事やレジャーを楽しめる

大工技術や建築基準法で悩まずに済む

仕上がりが綺麗

素人より仕事が早い

(安さ重視でなければ)良い材料を選んでくれるので綺麗

デメリット

セルフビルドに比べて費用がかかる

良し悪しの判断基準がないと、設計士や大工の好みで作られる。

自由設計ではないハウスメーカーの場合、追加・変更工事が発生すると費用が割増しする。

ハウスメーカー、工務店、設計士・大工の良し悪しがある。当たり外れがある。

押さえておきたいポイント

土地探し・中古物件探し

すでに土地をお持ちの方や親族の土地を譲り受けた方もいるかもしれませんが、移住する場合は不動産屋で土地や中古物件を探すことになります。

その際、海近がいい、山の中がいいなど好みのライフスタイルで場所を探すことになります。

リンク: 土地探し〜千葉県南房総・館山エリアで土地探しする時の3つのポイント(準備中)

候補地が絞られてきたら、建築士や大工に土地調査、物件調査をお願いしましょう。

例えば田んぼ跡地や山を背負っている土地は、水捌けが悪く屋内に湿気が入りやすい場所です。防水対策や地盤強化はできますが、できればジメジメしやすい場所、軟弱地盤などは事前に避けたい土地です。

リンク: 土地購入前の10のチェックポイント(準備中)

中古物件でリフォームしてある物件は、見た目が綺麗ですし設備も新しいものに変えてある場合があり快適に見えます。ですが、仕上げに隠れて見えない骨組み(構造)や雨漏りがあることもあり得ます。

床下、天井上を確認できるようなら必ず確認しましょう。確認できない場合、購入を見合わせるのも選択肢だと思います。

リンク: 古民家・中古物件の10のチェックポイント(準備中)

資金繰りについて

お金が潤沢にある!という方は読み飛ばしてください。

借り入れをして自宅を建てようとお考えであれば、ファイナンシャルプランナーに相談するのをお勧めしています。

景気変動や金利変動、為替変動など、正確に予測できるものではありませんが、ご自身・ご家族の年間収支や将来的な収支予想を立てておくことは、ローンを組むのであれば必要だと思います。

ファイナンシャルプランナーは、収支に対する支出の多少、契約中の保険のコスパやバランスなどアドバイスしてくれます。

住宅購入費用やローンについてもアドバイスしてくれるので、購入前後、あるいは長いスパンでどのような収支バランスになるのか、自宅を建てる前に把握することができます。

リンク: ファイナンシャルプランナーに相談するメリット(準備中)

ハウスメーカーか?工務店、設計士+大工か?その前に大切なのは、暮らしをイメージすること。

新築にせよリフォームやリノベーションにせよ、ハウスメーカーに頼むのが良いのか?地元の工務店に頼むのが良いのか?設計士を見つけて大工に建ててもらうのが良いのか?は悩みどころです。

また、ハウスメーカーにも高級路線・低価格路線・引渡し早い路線など各会社に特徴があり、どこにお願いしたら良いのか困ってしまう方もいるでしょう。

そうすると、とりあえずモデルハウスを見に行こう、新聞に入っていたハウスメーカーの折込チラシを見よう、Webサイトを見ようとなります。

知人に工務店や大工がいれば相談することもあるでしょうが、そういう人は少ないと思います。

この時点で ハウスメーカーにほぼ決定しています。工務店や建築士、という選択肢がグッと減ります。あなたにぴったりなのは工務店、あるいは建築士+大工だったとしても。

ハウスメーカーか工務店か以前に大事なことがあります。それは、家を建てた後の暮らし方、ライフスタイルです。

リンク: 家を建てる前に絶対にしないといけないこと。暮らしをイメージすること(準備中)

時間もお金もないけれど、住まいやライフスタイルへのこだわり美学のある人は

家を建てるには大金が必要です。それは建築資材が基本的に高額ですし、設計士や職人さんたちの時間と手間と経験がギュッと詰まっているから。

見積書を見て「高っ!こんなにするの?」とびっくりすることもあるでしょう。でも、基本的に高いものだと思ってください。

それでも「安くしたい!けどこだわりたい!」というのが施主さんの気持ちでもありますよね。

そんな方は、「リンク:番外編1 お金はないけどこだわりたい」をお読み気ください。

金額が高いから良いものができる わけではない

金額の高い方がいい家ができるのかというとそうでもありません。

お金を出せばセレブリティが住んでいるような豪邸は建てられます。材料は良いものを入れられるし、高級感のある設備機器をいれられるし、昔ながらの石場建て、真壁・漆喰塗りの伝統建築もできます。豪邸を建てるには確かにお金がかかります。

ですが、一般住宅の場合、少し高めに見積りしてオッケー貰えたらラッキーという工務店もあります。自分の仕事にプライドを持ってる施主さん思いの工務店(大工)かどうかの見極めが大切です。

頂くお金の中で、できる限り施主さんが気持ちよく住めるようにデザインして、良い材料を選んで、職人さんの生活にも気遣うような工務店(大工)を見つけましょう。

リンク: ハウスメーカーか?工務か?設計士+大工か?(準備中)

リンク: いい設計士・大工さんの見わけ方(準備中)

セルフビルドの場合

私(小川)は、建築士・大工になる前にハーフセルフビルドしました。家作り、DIYのど素人でした。

そのど素人が、基礎、上棟、屋根の施工は職人さんにお願いし、それ以降の外壁・内装などをセルフビルドしました。いわゆるハーフセルフビルドです。

一方で、基礎も上棟も全部セルフビルドする方もいます。フルセルフビルドです。

住宅であれば、オススメはハーフ・セルフビルドです。

プロにお願いすることで、構造的な安全面を技術的に担保しつつ、できそうなところをセルフビルドして費用を抑えられます。どこまで職人さんにお願いするかは、時間のあるなしや予算によると思います。

住宅ではなく10㎡ほどの小屋であれば、フル・セルフビルドできるでしょう。小さい分、手間が少ないですし、住宅ではないので多少のミスは問題になりません。

メリット

安く建てられる

安くなった分、良い材料、設備を入れられる

自分のこだわりを突き詰められる

作っていて楽しい

一生使える技術を身につけられる。修理も小屋作りも家具も作れる

一通りの道具を揃えるので、後々 さまざまなものを作れる

お父さんかっこいい!ママ、すごい!と子どもたちに言われる。友達にも驚かれる

自然災害のボランティアで超役に立てる

デメリット

完成までに時間がかかる

わからないことだらけで悩むことが多い。作業がはかどらない

わからないことを全部自分で調べる手間と時間がかかる

この設計・施工で良いのか判断できない

セルフビルドできるのか?

ど素人がセルフビルドなんてできるの?と疑問に思う人は多いと思いますが、難しいところはプロにお願いすればできる と思います。

私(小川)は、基礎、上棟、屋根は職人さんにお願いしました。

斜面の土地なので、基礎はしっかりしたものにしたかったので基礎屋さんに。

上棟は人手もいるし、クレーンもいるだろうと大工さんにお願いしました。

屋根は無理。鉄板加工のやり方がわかりませんし、雨漏りは嫌だったので。

書籍やネットで調べて、できるかできないかを判断して難しいところはプロに。失敗しても大した問題ではない外装内装をセルフビルドすることにしました。

できそうにないところをプロに頼むことで、セルフビルドのハードルはグンと下がります。

また、今の木造住宅は在来工法と呼ばれる工法で建てられることがほとんどです。そのため建材は規格化されているので、家の作り方はどの工務店・大工でも一緒です。なので早いかどうか、上手いかどうかを気にしない方にはオススメです。

私(小川)がセルフビルドしてる時は、大変なこともありますが、「こんな楽しいことを お金出して大工さんにやってもらうってなんて もったいない!」と思いました。

時間に余裕がある方、物作りが好きな方は、ハーフ・セルフビルド、あるいは中古物件のセルフリノベにチャレンジしてみてください。

リンク: セルフビルドできるの?(準備中)

リンク: セルフビルドした理由(準備中)

リンク: セルフデザイン(準備中)

番外編1〜お金はないけど こだわりたい

お金がないからと、消去法で安さが売りのハウスメーカーに頼む方がいるかもしれません。

が、意外とコスパの良い家のデザイン・設計に興味を持っている建築士はいます。私もその一人。

建築デザインでコストを抑える方法を考えてくれるでしょう。

例えば、構造ベニアを耐力壁にしつつ仕上げにするとか。各部屋を間仕切り壁で目隠しした建具無しのワンルームにするとか。

予算はあまりないけれど家や暮らしにこだわりがある、美学があるという方は、面白そうな建築士を探してみてください。

番外編2〜TinyHouse(小屋)をセルフビルド

我が家にも作りたいと思っているのですが、小屋を二つ作って、一つはリビング&ベッド。一つはバス、トイレ、キッチン。その2つを並べてことも部屋やゲストハウスにすできたらなと。

住宅をセルフビルドするのはハードルが高くても、小さな小屋であれば想像以上に愉しみながら作れちゃいます。

時間がある方、セルフビルドの実験的に作りたい方、仲間と一緒に作るのもありだと思います。大工を講師にワークショップもいいですし。

大人だけではなく、家づくりは子供たちも楽しいものだし、お父さんカッコいい!と言われること間違いなしです。

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